だいたい毎日戸塚でしょ!

やっぱり書きたい事、書かなきゃね。

高齢者がビジネスターゲットのメインな限り日本の経済は厳しいんじゃないだろうか。

週末はスポーツ新聞を購入することが多い私。

今日もスポーツ新聞を購入し会社で読んでいると「えっ!」って思う広告が載っていたので今回はウチの専門でもある広告に関する事を、調べてみた結果を書きたいと思う。

某スポーツ新聞に掲載されていた広告

この広告を見て、私は「えっ!」と驚いたのである。

テレビや新聞からしか情報を得ない人たちが一定数いる

まず私が何に驚いたのかと言うと「価格」だった。このタイプの温度計は今回の新型コロナウィルスの影響で認知度が高まった体温計のひとつだろう。(商品を紹介する側は必ず温度計と表記されている)おでこに温度計を向けてトリガーを握ると秒速で体温を測ってくれる非接触型温度計だ。

実はウチの会社にもこの温度計が欲しくてつい最近購入したので、この広告に出ている温度計の価格に驚いたのだった。

インターネットが普及した今、新聞購読率は急降下しており販売店もどんどん減っているのが現状。しかしながら根強いのが「意地でも新聞で情報を取り続ける人達」

彼らは「新聞」もしくは「テレビ」の情報を全て正しい情報だと考えており、信頼している。テレビで紹介された商品を買い、新聞に載っているニュースを今話題のニュースにする。インターネットでは無料で得られる情報ですら「新聞購読料」を支払って得ている人たちとも言える。

特に高齢者はパソコンやスマートフォンタブレットなどでインターネットをする事をあえてしない人も多いためテレビや新聞を自身のメインの情報源にするのも理解できる。

競争が少ない媒体にもなっているのが新聞かもしれない

テレビや新聞でしか情報を得ない人たちにとって、テレビの情報番組、テレビショッピング、新聞広告、折り込み広告は、非常に高揚する広告媒体にもなっている。テレビの情報番組で取り上げられた野菜や食べ物が翌日からスーパーから消えるという話は最もメジャーだが、そのくらいテレビ信者はいて、同じくらい新聞信者もいる。新聞自体に広告を出稿する値段はとても高価で、その値段を払ってでも売り上げが上がる経験をした事業者も多い。新聞広告に載せた商品は、同じ新聞内や折り込み広告で同等商品が無ければ広告で掲載されている料金が「通常料金」だと勘違いしてくれる事もある。テレビや新聞でしか情報を得ない人にとっては新聞広告で見た商品の値段は通常価格だと勝手に思い込んでくれるのでありがたい媒体ともいえる。だから高価な出稿費を払ってでも掲載する事業者がいるのかもしれない。

インターネットと比較してみると

今回冒頭で取り上げた非接触型温度計を型番でインターネット検索してみると楽天市場やロハコ、Yahooショッピングでも同等品を販売していた。

インターネット検索結果

楽天市場に限って言うと、税込金額で送料も無料と書かれている。もう一度新聞広告に掲載されている価格を見てみると価格の横に小さく(税別)と記載されている。しかも、その下の方のもっと小さい字で「■送料は980円(税別)(島しょ除く)」と記載されている。

非接触型温度計の新聞広告

商品代金は

9,800円+消費税980円=10,780円

送料は

980円+消費税98円=1,078円

合計11,858円でこの非接触型温度計が手元に来る計算になる。

楽天市場なら送料と消費税込みで6,980円で購入できる商品なのに。

先ほども書いたが、恐らく新聞広告を見ている人の多くは「インターネットを使わない人」ということから、非接触型温度計を欲しがっている人は思わず購入してしまうという事だ。

広告を出した事業者が悪いとは言っていない

誤解して欲しくないのが、広告を出した事業者が「ぼったくり」とか「悪徳事業者」という事をここで言いたいのではない。経営者の端くれで広告を専門にビジネスをしている人間としては「出稿料」「販売するための人件費」等を考えると決して常識から外れた金額ではないが、買う側が今回掲載した楽天市場などの競合相手の価格を知らないで買うのはちょっと考え方が単純すぎないかという事を言いたいのだ。もちろん、経済的に余裕があったり等の事情にもよるが。私が地域でたまに話を聞いている限り、こういう広告で購入している人は決して裕福なタイプじゃないと思う。そういう人ほど、お金を少しでも節約するためにいくつかの競合相手の価格も見て欲しい。私と同世代で周りにインターネットが苦手な人がいれば、代わりに購入してあげて欲しいとすら思う。

広告の価値は変わらなければならないタイミングに来ている

今回の広告を見て購入する人が減れば、当然事業者は高価な新聞広告に載せて販売する事を控える形になる。類似商品が世の中にたくさんある商品は特に新聞広告の広告費との費用対効果が見合わなくなる。そうすることで、倍近いお金を出して商品を買わなかった人はまた別の形でお金を使う事ができる。というような正の流れが生まれる。

テレビや新聞は特に、広告費、広告の存在自体を再度検討するタイミングに来ていると思うのだが、何せ高齢者への依存率が高いのと、高齢者がインターネットをやらない、高齢者の方が若い世代よりも使えるお金が多いという今の日本の良くない経済状況がある限りテレビや新聞はあぐらをかき続ける。

私の会社は、お客様にベストな広告のアドバイスや制作も行うのがミッションでもあるが、小さな会社ほど大会社の真似をしたいのか大きなメディアに多くのお金を使って広告を載せたがるが、会社自体の認知度やブランド力が低いため費用対効果が悪い結果になり「広告=お金ばかり掛かって役に立たない」という「広告アレルギー」が起きてしまっている事業者も少なくない。

それは、昨今の広告業界の変化で劣勢になって来た事業者が「大手ばかりではもう売り上げが足りないから、小さい会社にも広告を売りに行け」とばかりに営業部隊を送り込んでくる事にも要因があると考えている。そこら辺も私の会社のお客様や、近隣の事業者さんには事前に伝えておくことで「美味しそうなエサ」に飛びつかなくなるのではないかと。

最後に、今回最も伝えたいのは。

広告や営業をせずに売り上げを上げるのは非常に難しい事なので、しっかりと広告や営業の手立てを考えて可能な範囲のお金で行って欲しい事がひとつ。

もうひとつは消費者側の立場で広告を考えた時に、自身が見ている媒体だけが商品を売っている場所ではないという事を高齢者に教えてあげること。もしくは身近な人なら購入を手伝ってあげること。

ちなみに、冒頭で私の会社でも非接触型温度計を最近購入したと書いたが、購入した金額は送料込みで2,450円だった。

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